■ 試験画像
性能評価には以下の画像3点を使用しました。
画像をクリックするとフルサイズの画像を見ることができます。(PNG形式)
※これらの著作権はすべて L.Entis に帰属しています。
個人的に利用する限りにおいては自由にご使用いただいてかまいませんが、他のホームページに掲載するなどする場合にはご連絡お願いします。(圧縮の研究のサンプルとしてのみ転載を許可いたします)
試験画像を主要な画像フォーマットに変換・圧縮し、そのサイズを比較します。
比較された画像フォーマットは、標準ERI(ERI第1水準フォーマット)、ERINA(ERI第2水準フォーマット)、JPEG2000可逆圧縮、PIC2算術符号(P2SS)、PNG、JPEG、BMPです。
JPEGは非可逆圧縮ですが、参考程度に比較します。
以下がその結果です。数値はバイト単位です。
ERI、ERINAは、ERINA-Library によって圧縮したものです。
JPEG2000 は jasper で圧縮しました。
PIC2 は、どくきのこ氏の「PIC2 Load & Save Utility」を使って圧縮しました。
PNG は、とびた氏の「マルチフォーマット画像ビューアGV」を使って圧縮しました。
JPEG は、Adobe 社製 Photoshop に付属の JPEG プラグインで、最高画質を指定して圧縮したものです。
各フォーマット毎の圧縮率の、ERINA を基準にした際の比の差をグラフにしました。グラフ下部の表の数値が比の差です。
たとえば、左上の 0.11766 は、ERINA に比べ、11.766%サイズが大きいことをあらわしています。
0.0 より上にある点は ERINA より圧縮率が悪く、下にある点は圧縮率が良いことを意味しています。ではまず、PNG を見てみましょう。
photo においては、PNG は ERINA より 30%近く圧縮率が悪く、右へ行くと 20%程度のところで推移します。
PNG と ERI を比較すると、scpae や eri の画像では圧縮特性が似ていることがわかります。次に、JPEG2000 を見てみましょう。
photo では、ERINA より 7%近く圧縮率が良いです。これは JPEG2000 が採用していると思われる可逆 Wavelet 変換が、写真などの自然画の冗長性を削減するのに有効であることを示していると考えられます。
JPEG2000 は、scape、eri と右へ行くほど圧縮率の比が悪化しています。これは、画像の平坦の度合いや、エッジ部の特性などが影響しているものと思われます。
ERI、ERINA、JPEG2000 の復元速度を比較してみました。
ERI、ERINA は ERINA-Library を組み込んだプログラムで復元速度を計測しました。
JPEG2000 は jasper で復元速度を計測しました。
ERI、ERINA、JPEG2000 ともに5回計測し、平均値を復元時間としています。
計測したマシンの主要なスペックは、CPU:PentiumIII 1GHz(デュアルプロセッサシステム)、メモリ:RIMM 1GB(PC700 RAMBUS)、ハードディスク:Ultra160、OS:Windows2000、となっています。グラフ下部の表の数値は秒単位の復元に要した時間です。
ERI と JPEG2000 を比べると、約10倍 ERI の方が高速であることがわかります。
ERI と ERINA では、ERINA の方が約3倍から1.5倍遅いことも特徴です。